
変形性膝関節症
更新日時:2025/2/27
変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)とは、加齢や機会的な刺激などによって関節軟骨が弾力を失い、摩耗することで生じます。
関節周囲を取り囲む滑膜(かつまく)と呼ばれる組織の炎症を伴うことで症状が出現されるとされています。
一般的には内側の関節軟骨が変性・摩耗することが多いです。
男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。
尚、膝に変形があったとしても、 7~8割の人は痛みを生じないと言われています。
変形=痛みと捉えてしまいます が、痛みがあるのを諦める必要はありません。
変形性膝関節症のセルフチェック
当てはまる項目が多いほど変形性膝関節症の可能性が高いと言えます。
☑ 膝の曲げ伸ばしをすると、膝の中でゴリゴリ・コツコツ・ギュッギュッと音がする
☑ 不意に膝の力がカクンと抜けてしまう
☑ 立ち上がり動作や正座が苦痛
☑ 膝が伸びきらない
☑ O脚に変形している
☑ 動き始めが痛い
☑ 膝が腫れている感じがする

変形性膝関節症の原因
関節軟骨の老化に加え、ヒザの怪我の後遺症として、50歳以前から変形性関節症が発症することもあります。
その他、肥満や素因(遺伝子)も関与しています。
また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがあります。
変形性膝関節症の治療法
変形性膝関節症は変形があったとしても、必ず痛みがでるわけではありません。
痛みがあってもなくても、工夫により症状の進行が抑られ、生活がしやすくなります。
〈リハビリ〉
徒手療法や運動療法を用いて、関節の動きの改善や筋肉の柔軟性などの機能改善を図ります。
当院では、症状のある膝関節だけではなく、足関節や股関節・体幹・上半身の動きの評価から膝関節に負担のかかる原因を探っていきます。
検査の結果に応じて、全身の動きのクセを修正していきます。
そうすることで、膝関節に変形があったとしても症状が緩和し、変形の進行を少しでも抑えられる身体を目指していきます。
〈装具療法〉
膝関節装具や、足底板(インソール)などが症状の緩和に有効な場合があります。
当院では、歩行動作分析やテーピング処置を試行的に行うことで、装具療法の有効性を判断することで、個人にあった装具を選択するようにしています。
〈薬物療法〉
整形外科などの病院では、鎮静剤や関節内注射などが医師の判断で行われます。
〈手術療法〉
保存的治療を行っても良くならない場合などには、手術療法が適応になります。
変形性膝関節症の手術療法には、関節鏡を用いた滑膜切除術や、高位頚骨骨切り術、人工関節置換術などがあります。
変形性膝関節症の進行度や年齢、症状などを踏まえて選択されます。

執筆者 小山 晴樹
こやま整骨院・整体院 院長 (長野市南長池761-5)
柔道整復師免許を取得後、長野県長野市内のスポーツ整形外科にて診療補助・リハビリテーション業務に従事。オリンピック選手やプロ野球・プロサッカー選手などのリハビリテーションにも携わる。また、施設管理主任・部長として、施設運営のみならず講演会や研修会を企画運営した。
現在は、長野市南長池にて「こやま整骨院・整体院」の院長として臨床に携わる。