
シンスプリント
更新日時:2025/03/04
シンスプリントとは?
運動時および運動後にスネの内側に痛みが生じる障害です。
ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋などの足関節を底屈する筋や筋膜の繰り返し加えられる牽引による脛骨の骨膜の炎症です。
同部位に限局した強い痛みが続く場合は、疲労骨折との鑑別が必要です。
シンスプリントはランニング傷害の6〜16%を占め、また下肢傷害の50%を占めると言われており、女性に多く発症します。
陸上競技の中・長距離選手やサッカー、バスケットボールなど走ることの多い競技で、中学・高校生の選手(特に新人選手)に多くみられます。
シンスプリントの症状
☑ 運動時・運動後のスネの痛み
☑ スネを押した時の痛みに左右差がある
☑ 悪化すると日常生活でも痛みを感じる

シンスプリントの原因
シンスプリントは、下記のような要因 によって、スネの内側に負担が増加することによって発症すると言われています。当院の施術では、スネの内側に負担が増加してしまう要因を明らかにすることで早期改善・早期復帰、そして再発予防までトータルサポートします。
1.ランニングの量や質の急激な変化(初心者が急に走り始めた時や走りこみの時期に多く起こる)
2.扁平足、回内足など障害の発生しやすい足の形
3.足関節の柔軟性の低下や下腿の筋力不足
4.足部の疲労による衝撃衝能の低下
5.固いグランドや路面での練習
6.すり減ったかかとや、クッション性の悪いシューズの使用など
シンスプリントの治療法
シンスプリントでは保存療法が選択されます。
□リハビリ
スネの内側へのストレスが増加する要因として、足指や足関節、膝関節、股関節、体幹の筋力や柔軟性の低下が挙げられます。また、それ以外にも平衡感覚や固有感覚といった動きを制御している神経系の関与が大きく関連しています。
当院では、単なるストレッチや筋力トレーニングを行うのではなく、「動きのクセ」に着目して、患者さんの年代や症状に応じて動作の改善を行います。
単なる安静や電気治療、投薬などでは「動きのクセ」は治せません。一旦、痛みが落ち着いたとしても競技復帰により再発、または別の部位に症状が出てしまう可能性が高いです。
根本から改善するためには動きのクセを修正することが効果的で、それが症状の改善だけではなく競技のパフォーマンスアップにつながると考えています。
□装具療法
当院では、適切な足の「動きを作る」ことを重要視しています。
一般的なアーチを矯正するテーピングやインソールでは、「形を作る」ことは出来るので固定されている感覚がありますが、これは足の最適な動きを阻害する可能性もあります。
そこで、当院では足の「動きを作る」こと目的にしてテーピングやインソールを実施しています。
「他院でテーピングやインソールを試してみたけれど効果を実感できない」という方は、ぜひ当院のテーピングやインソールをお試しください。
□その他
アイスマッサージや病院から処方される内服・外用薬を使用する場合があります。
クッション性が良くかかとの安定したシューズを選ぶことも重要です。
参考・引用文献一覧
1)一般社団法人 日本スポーツ整形外科学会:15 シンスプリント.スポーツ損傷シリーズ
2)Yates B, White S. The incidence and risk factors in the development of medial tibial stress syndrome among naval recruits. Am J Sports Med 2004;32:772-80.

執筆者 小山 晴樹
こやま整骨院・整体院 院長 (長野市南長池761-5)
柔道整復師免許を取得後、長野県長野市内のスポーツ整形外科にて診療補助・リハビリテーション業務に従事。オリンピック選手やプロ野球・プロサッカー選手などのリハビリテーションにも携わる。また、施設管理主任・部長として、施設運営のみならず講演会や研修会を企画運営した。
現在は、長野市南長池にて「こやま整骨院・整体院」の院長として臨床に携わる。