腰部脊柱管狭窄症
更新日時:2024/6/7
腰部脊柱管狭窄症とは?
「脊柱管(せきちゅうかん)」とは、背骨や椎間板・関節・靭帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルのことをいいます。
加齢などが原因で背骨が変形したり、椎間板や靭帯が神経の通る脊柱管を狭くすることで、神経が圧迫・刺激を受けて「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)が発症します。
腰部脊柱管狭窄症の症状
☑ 臀部から下肢のしびれ感や痛み
☑ 脚に力が入りにくくなる(麻痺・脱力)
☑ 長い距離を歩くと痛み・しびれ感が強くなる
☑ 少し前かがみや座位で休むと症状が軽減する
☑ ときには残尿感や便秘など
腰部脊柱管狭窄症の原因
加齢による骨の変形や靭帯の変性・肥厚によるものが多いです。
その他の原因としては、外傷をきっかけに発症するもの、骨代謝疾患によるもの、先天性のもの、医原性のものがあります。
腰部脊柱管狭窄症の治療法
腰部脊柱管狭窄症診療ガイドラインによれば、「腰部脊柱管狭窄症の軽度~中等症例の 10 年以上の臨床経過は,50~60%の症例で満足のいく結果が得られた」としています。
したがって、明らかな下肢麻痺や膀胱直腸障害がなく発症から3ヵ月未満の症例に関しては、まず薬物療法やその他の保存療法を行うことが推奨されています。
・リハビリテーション
脊柱管狭窄症診療ガイドラインでは、専門家の指導のもと理学療法や運動療法を行うことがセルフトレーニングよりも痛みの緩和や身体機能、ADL/QOLの改善に有効であるとされています。
当院では、姿勢や歩行動作からいわゆる「身体のクセ」を評価することで、腰に負担のかかる原因を明らかにし、一人ひとりにあったリハビリをご提案しております。
体力レベルに応じてリハビリの内容や期間を設定しますので、無理なくリハビリを受けていただくことが出来ます。
簡単!腰痛体操①お尻マッサージ
※必ずしも全員に効果を保証するものではありません。痛みのないようにお試しください。
簡単!腰痛体操②腰ストレッチ
※必ずしも全員に効果を保証するものではありません。痛みのないようにお試しください。
・薬物治療
整形外科では、鎮痛薬や筋弛緩薬、血管拡張薬(末梢循環改善薬)、ビタミン製剤などが症状に合わせて処方されます。
・神経ブロック療法
ブロック療法は短期的に疼痛およびQOLを改善するが、中長期的にその効果は消失すると報告されています。
そのため、痛みや痺れ感が強い重症例や、短期的にでも症状を軽減させたいなどの希望がある場合には、病院で神経ブロック注射を検討します。
当院では、近隣の整形外科へのご紹介も可能ですのでご相談ください。
・手術療法
保存治療による効果が乏しい場合、あるいは膀胱直腸障害など神経症状が重度である場合には病院にて手術治療が選択されます。
腰部脊柱管狭窄症の手術は多岐にわたり、除圧や固定の方法、またその範囲の選択なども様々で、それぞれの術者によって決定されます。
執筆者 小山 晴樹
こやま整骨院・整体院 院長 (長野市南長池761-5)
柔道整復師免許を取得後、長野県長野市内のスポーツ整形外科にて診療補助・リハビリテーション業務に従事。オリンピック選手やプロ野球・プロサッカー選手などのリハビリテーションにも携わる。また、施設管理主任・部長として、施設運営のみならず講演会や研修会を企画運営した。
現在は、長野市南長池にて「こやま整骨院・整体院」の院長として臨床に携わる。